2000年12月31日日曜日

リメムバー・マンハッタン (2000)


2000年春の、20世紀経済を象徴する双子のビルがまだダウンタウンに輝いていた頃の思い出です。 僕にとってはじめてのアメリカ。 はじめてのニューヨーク。
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04/29
週末は幾つかのフリー・マーケットが立つので、ぶらぶらと冷やかしに行ってきました マジソンスクエア・パークの2ブロック西、六番街(アメリカ街)の24丁目との交差点を中心として幾つかの骨董市が立っています。
“ANNEX” と銘打ったガレージ・セールが一番大きく、倉庫内で2ヶ所、青空で1ヶ所と3ヶ所で盛上りを見せています。 他にも青空で2ヶ所の市が立ち、またそれらの賑わいに便乗するかのように近くの路面店も歩道に品物を投げ出しての大売出し。
もっとも僕の興味をひいたのは古い小さなリールです。 アブに吸収合併される以前のガルシア社が、アブと同様に米国での販売を手がけていたミッチェル(フランス)製の黒くて小さな非常にかわいらしいものです。 現在主流のメカニックで静かなモデルと異なり、丸いボディとカタカタ音を出す糸巻きはなんともチャーミング! 手にとって四方八方から眺め,イジクリ回してみたのですが,外装のちょっとした塗装のハゲ以外に特に問題点はありません。 それが現品ただひとつで40ドル。 安い。 東京で見つけたなら間違いなく即効レジダッシュ!? うぅぅむ…。
明日もう一度そこに行ってみて、まだ残っていたら買おう! 無かったら諦めよう!
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04/30
今日は昨日の骨董市のリベンジです。 僕は1人決戦の地へと向かいます。
なんと今日は昨日よりも市の数が増えています。 もともとこの骨董市は普段駐車場として使っているところを週末のみ開放しているようなのですが、今日は昨日駐車場だった2ヶ所が新たに加わっていました。 撹乱戦法できたか、敵もなかなかやるものです。
僕はまずわき目も触れず、まずは昨日のあの店へ。 あったぁ、ありましたぁ。 愛しのガルシア・ミッチェル304。 しかしここはまだ商品を確認するに留めておいて別の市を探ってみよう。
今日新しく増えたところへ行くと、やはりいるんですねあるんですね、歴戦に耐えたであろう勇者達が。 ただリールはあまり良いコンディションものがありません。 いわゆるベイトキャスティング・リールの初期型である、ダイレクトドライブ・リールが多いのですが、みなほとんどギアが固着して動かなくなっているからどうもつらない。 これはどこの骨董市でも大体当てはまるようです。
僕はコレクターではないから並べておくだけじゃもったいない。 あくまでも使ってなんぼの道具でしょっ。 そんなわけで僕が見つけたあの304君は実に実に掘り出し物なのです。 しかも安いし。
別の市でアンティーク・ルアーを発見。 1個10ドルのシンプルなものを2つゲット。
さぁ,やっと安心してあいつが買えます。 最初の店に戻ると、彼はやっぱり僕を待っていてくれました。 店のあばさんにリールを預けて、“40ドル、40ドル…”とお金を出していると、あんた昨日も来てたわねぇ、ってわけで35ドルにまけてくれました。
リールのデザイン、なかなか色ぽいと思いませんか? アール・デコ調・・・いやいや、ミッドセンチュリーと呼ぶべきでしょうか。 いやぁ、有意義な一日だったなぁ。

05/03
南北に細長いマンハッタンの東を流れる(と言っても岸辺から見る限り流れそのものは感じられませんが)、その名も“イースト・リバー”の真ん中あたりに浮かぶ大きな島がルーズベルト島です。 さながらマンハッタンの衛星都市といったおもむきで存在していますが、今日はこのルーズベルト島に行ってみました。
59丁目と60丁目の間からロープウェイが通っていて、老若男女、徒歩に自転車、キックボードや乳母車といった人々がこれを利用することができます。 料金はトークン1枚ですから1.50ドルです。 もっともルーズベルト島内にはマンハッタンからつながる地下鉄の駅もあるから、ほとんどの人はこちらを利用しているようで、わざわざ時間をかけて(といっても5分足らずで着いてしまい感傷的になるには短すぎる時間なのですが)空中にぶら下がって川を渡るなんて粋狂なことをするのは、やはりお年寄りか旅行者がほとんどのようです。
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ロープウェイ乗り場で買ったパンフレット状の地図によると、およそ7500人がこの島に住んでいるとのことです。 僕が見た限りこの島には戸建住宅は存在していなくて、すべてがやはりレンガ・ファサードの大きなアパートメントです。 また島の南北両端付近にはそれぞれ大型病院が配されています。 さらに7500人のコミュニティですから当然小学校も設けられてあり、そして島とは言え、れっきとしたニューヨーク・マンハッタンですからバスが循環し、ジョギングや散歩にうってつけの歩道が周囲を取り巻きます。
一言で言うと、この島は実に自然な感じ(?)で“人工的に”計画されており、いわゆる“やりすぎていない感じ”、そのバランス感覚が非常に好ましく思えます。



また島の北端には灯台があるのですが、ここでニューヨークにきてはじめての釣人を見付けました。 見かけは少し怖かったけれど、声をかけ、僕も釣が好きだと言うと急に笑顔になって色々と話してくれました。
いわゆるブッコミ釣りでストライプド・バスを狙っているとのこと。 餌を見せてもらうと3cm角ほどの肉片のようなものでした。 ストライパーは本物を見たことがないので早く釣ってくれと頼んだのですが“Nothing!”とのこと。 両手を1mくらいに広げてこれくらいになる。 ちっちゃいのはリリースと言っていたので、彼はミート・フィシャーなのでしょう。
使っている竿もそうでしたが、タックルボックスの中を見せてもらうと、実に質素なものばかりです。 小学生が数千円もするルアーを幾つもぶら下げている日本の状況を思うと、目から鱗の気持ちになりました。 やっぱり真のモノ・フェチは道具を道具として使わなければいけないなぁ。 僕も日本に帰ったらガレージ・セールで買ったリール持って釣りに行こう! 日本にもラージマウス・バスがいるんだ、僕もルアーでよく釣ったよと言うと実に大きな声で屈託なく笑ってくれたことが印象的でした。
名前を聞かなかったことが残念です。




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